2010 CAF ネビュラ展
開催要項
主 催: | CAF.N 協会 2010CAF.ネビュラ展実行委員会 |
会 場: | 埼玉県立近代美術館一般展示室(全室) |
会 期: | 開館時間:10:00〜17:30 最終日:15:30まで |
懇親会: | 2010年11月14日(日)17:30〜 埼玉県立近代美術館レストラン『ペペロネ』(会費制) |
企 画: |
・2010年11月14日(日)12:00〜15:00 アーティストトーク ・2010年11月14日(日)15:30〜16:00 鉄の打楽器・波紋音 演奏(永田砂知子) ・2010年11月14日(日)12:00〜16:00 ワークショップ |
トピックス
朝日新聞に掲載されました。[2010/11/16]
ごあいさつ
2010年という時期にさしかかった私たちの社会は、インターネットという巨大蜘蛛の巣にすっかり被われ、さらに上空では、あたかも黒雲のように出現したクラウドコンピューティングシステムが、私たちに情報の雨を降らせようとしています。この雨が私たちにとって恵みの雨となってくれれば良いのですが、この雨は私たちの皮膚を透過して、人間の精神や思想にも大きく影響を及ぼしてくる強い力を持っているように思われます。コミュニケーション不全に陥り、他者を傷つけあるいは自己を苛む人間、私たちを包む環境へ負荷をかけることを止めない人間が増えています。いまこの社会は、情報の雨を文明の血液として循環させるシステムが構築されていません。
このような時代にあって、美術という行為に役割はあるのでしょうか。単なるうるおい、ぬくもり、ゆとりといった経済成長期の役割ではなく、いま現代美術にはもっと積極的に、人間自体、社会の内部に向けて働きかけていくことが期待されています。浸透性の強い、まとわりつくような魔力をもった情報の雨のバリアーとなり、互いに寄り添い温め合うシェルターのような役割、心の傷に直接はるバンドエイドのような役割、情報の雨を慈雨にかえる装置としての役割など、かつて共同体には必ず有った役割が求められているようです。
たしかに美術界には旧態依然の体質があり、作家には時代錯誤のコンセプトが怨霊のように取り付いて離れないため、社会の変化に反応できず、若い世代のアートや新しいアートを阻んでいますが、CA Fネビュラのアーティストは、夜空に輝く星雲(ネビュラ)のように、アートの光を放ちながら活動をつづけています。その制作姿勢は、自己のアイデンティティーが礎となった、足下にある歴史や文化に立脚したものです。そして、その作品は敏感に察知された時代の変化をも反映しているため、人々が先の時代を予見し予測するための媒体としての役割を果すことができるでしょう。このようにCAFネビュラは、神々の先導役である猿田彦神のように、新しい社会を眺望する視線を備え、人々の感動を喚起できるよう、歩んでまいります。
最後になりましたが、2010 年C A Fネビュラ展の開催にあたり、多大のご支援を賜わりました協賛企業、協賛者の方々をはじめ、本展に深いご理解とご賛同をいただきました関係各位に対し、心より感謝の意を表します。
ネビュラの可能性
CAF.NのNはNebula(ネビュラ)の頭文字で星雲の意味、アートの交流が渦巻状に展開されることと、充満したアートのエネルギーが新しい時代に生きる人たちに届くことを願って名付けられました。
CAFは1978年以来、埼玉美術の祭典、第一次CAF、第二次CAF展と呼称を変更しながら、現代美術のコンセプトと表現の問題を社会に問う運動を展開してきましたが、現在これに加え、地域とアートの交流、さらに国際交流の方向性を中軸に位置づけ、活動の密度を高めていこうとしています。
それは、一極集中の進歩発展的思考に見直しがかかり、個人や地域の独自性が求められている現在、アーティストの自由で純粋な思考が、硬直化した地域の現状を打破する糸口を生み出せるかも知れないし、また、海外の異なる文化状況の中で創作された作品に接することによって、新しい時代のパラダイムを探すためのヒントを見付けることができるのでは、と考えるからです。
展覧会開催の歴史
1978-83 | 埼玉美術の祭典(6回) |
1984-87 | 現代美術の祭典(4回) |
1988 | 現代美術120人展(Pre-CAF) |
1989-91 | Contemporary Art Festival(CAF)(3回) |
1993-2003 | Contemporary Art Festival(CAF)(10回) |
CAF.Nネビュラ協会のプロジェクト
2004.7 | アイスランド、日本現代美術展(アイスランド、ハフナルボルグ美術館)40作家参加 |
2004.11 | CAF.N協会創立展(埼玉県立近代美術館)171作家参加 |
2005.4 | CAF.N京都展(京都、ギャラリーそわか)20作家参加 |
2005.11 | 2005CAF.ネビュラ展(埼玉県立近代美術館)123作家、12海外招待作家参加 |
2006.2 | 2006CAF.N横浜展(横浜市民ギャラリー) |
2006.4 | 2006CAF.N ミシガン展(ミシガン大学ギャラリー/アメリカ)13作家参加 |
2006.11 | コンパレゾン2006CAF.Nコーナー(グランパレ、パリ)15作家参加 |
2007.2 | CAF.N銀座展(東京・銀座、ギャラリー風)10作家参加 |
2007.5 | CAF.N松江展(島根県立美術館)39作家参加 |
2007.6 | CAF.N仙台展(せんだいメディアテーク)43作家参加 |
2007.11 | ル サロン ドゥ コンパレゾン ヌーボー 2007(グランパレ、パリ)16作家参加 |
2008.2 | CAF.N横浜展(横浜市民ギャラリー)50作家参加予定 |
2008.4 | Japanese Fine Art Exhibition(ノースアリゾナ大学ギャラリー、USA)6作家参加 |
2008.5 | 2008 CAF.Nラトヴィア展(リーガ国立海外美術館、ラトヴィア)44作家参加 |
2008.11 | ルサロンドゥコンパレゾン2008(グランパレ、パリ)13作家参加 |
2009.7 | CAF.N仙台展(せんだいメディアテーク)28作家参加 |
2010.3 | 2010 CAF.N 横浜展 48作家参加 |
2010.5 | 特別講演「アート+街+現代」 |
2010.11 | 2010 CAF.Nびわこ展(大津市歴史博物館)34作家参加 |
2010.9 | 特別講演「私の美術についての考え方」 |