現代美術展 特別講演「アート+街+現代」

2010 総会 特別講演「アート+街+現代」

概況

 昨年の拡大実行委員会では、本会議終了後に、芸術分野での幅広い見識や情報の獲得を目的として、また会議の活性化を含めて芸術業界に関わられる方にご協力頂きまして「特別講演」を実施しました。参加された会員の方々から通常の会合より尚有意義であったと感想を得まして、前回に引き続き本年度の総会におきましても「特別講演」を企画しました。
 今回は関口美術館館主 関口雄三氏にご協力頂きました。関口美術館は江戸川区葛西の閑静な住宅地に、建築家でもあります関口氏自身の設計による木材や石など天然素材を活かしながら和を基調としたモダンで落ち着いた空間です。彫刻家・柳原義達のコレクションを中心とした特別展示や「生活美」と「アーティスト支援」をテーマとした企画展示を年に数回開催されるなど、地域の人のランドマークや安らぎの場となるべく活動をされています。
 本講演ではまず関口氏の建築家としての出発点として都市計画の理念や転機となられたアフガニスタンのバーミヤンの旅行体験を伺いました。また、幼少より葛西の海に育まれたご自身の経験から次世代に残す「泳げる美しい 海を」と東京湾の浄化運動実行委員長として「ふるさと東京を考える環境フォーラム」の主催や葛西臨海公園での署名活動、「うみホタルを守る会」、西なぎさ水質浄化実験などのNPO法人として様々な活動を牽引され、地元の小・中学校での講演会や西なぎさでの海苔作り体験ワークショップなどの幅広い活動内容を映像を交えながらお話頂きました。特に「海が汚れると血液が汚れる」という危機的な環境サイクルや、「海も耕すことが必要であり、野鳥ばかり保護すると貝や魚が減ってしまう」といった活動の現場からの生の声を多数伺いました。後半は生活を豊かにするためのアートの意義、現代アーティストの活動や運動のあり方など激励ともとれる言葉を締め括りに頂き、講演は終了しました。関口氏の「芸術と環境」を軸にした多岐に渡る熱の籠ったお話に参加者も熱心に耳を傾けていました。

記録

■ 名称=総会
■ 講演名=アート+街+現代
■ 講師=関口美術館館主 関口雄三氏
■ 開催日=2010年5月8日


関口美術館館主 関口雄三氏