三遊亭鬼丸師匠による落語とトーク 【2015 CAFネビュラ展 関連企】

美術館が寄席になる!

三遊亭鬼丸師匠

三遊亭鬼丸師匠

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 2015CAFネビュラ展は2年ぶりにリニューアルの終了した埼玉県立近代美術館に戻っての開催となりました。関連企画として、音楽演奏、ダンスパフォーマンス、講演会、ワークショップなどは行ってきましたが、久しぶりに本拠地での開催ということもあり、今まで行ったことのない意外性のある企画はないだろうかと検討しました。美術館は静かに芸術作品を鑑賞する 処、これが世間一般の常識です。それを覆す試みは出来ないだろうか、そうだ“笑い”、それなら落語、現代アートに囲まれた空間にきっとマッチするのではないか、という経緯で立ち上がりました。
 お呼びした三遊亭鬼丸師匠はさいたま市在住の落語家です。2010年に真打に昇進、若手で実力もあり、FMさいたまNACK5のパーソナリティーとして活躍中、この企画にピッタリの方でした。
 一番広いA室に展示台を重ねて高座に仕立て、手書きの看板を設置し、観客席の前列には座布団を配置、寄席の雰囲気をつくりました。出囃子(CAF.N協会会員のご家族の三味線演奏)とともに師匠は柔らかな黄色の羽織姿で、にわか仕立ての高座に上がりました。バックには鮮やかな黄色い抽象画、サイドには立体作品を配置し、噺の枕が終わったあたりで師匠が羽織を脱ぐと薄水色の着物姿となり、会場の雰囲気も一変、見事な色の演出でした。会場は150名程の観客でいっぱいになり、参加者を飽きさせることなく1時間、笑いに包まれた展覧会場となりました。
 来場者へのアンケート調査も実施し、「美術と落語という意外な取り合わせで面白かった。」「内容の異なるジャンルをぶつけて、一つの文化が生まれた会場になった。」などの回答をいただき好評を得るとともに、今後の企画の参考ともなりました。(奥野由利)

■ 記録 ■
■ 名 称=美術館が寄席になる!
―たまには美術館で思いっきり笑ってみたい―
三遊亭鬼丸師匠による落語とトーク
■ 会 期=2015年11月15日(日)
■ 会 場=埼玉県立近代美術館一般展示室
■ 来場者=150名