講演 2020CAFネビュラ展


メキシコ出身のノルマさん

概況

 2020 CAFネビュラ展の特別企画の一つ「メキシコ芸術と死」の講義が新型ウィルスの感染対策を実施して行われました。講演者は2019年メキシコ展に参加した大西さん、城下さん、筆者、そしてメキシコ展 現地にて多くのサポートを頂いたメキシコ出身日本在住ノルマ・ルス・デルガド・バディジャさんです。
 当初の計画は、メキシコ側の実行委員(アルマシガ)のパルミラ・パラモさんに「メキシコ芸術と死」と題して講義を依頼、来日も計画をしました。しかし2020年2月末に新型ウィルスの感染拡大により来日が中止に、計画の見直することになりました。やはり講義にメキシコ出身の方が必須と考え、日本在住のノルマさんの出演依頼をしました。講義内容はパルミラさんから届いたスペイン語文章を翻訳し、それを下にシナリオ作成、朗読や講義の準備リハーサルをしました。

 そして当日です、文章はオクタビオ・パスの詞から始まります。オクタビオ・パスは1990年ノーベル文学賞を受賞したメキシコの偉大な詩人です。ノルマさんはパスについて「メキシコ文化をより広く、メキシコ人の全体像を説明している」と述べています。詩はスペイン語原文をノルマさん、日本語訳を大西さん、城下さんが交互に朗読しました。
次に文章はメキシコの歴史の流れとともに3つの事例、始めにプレヒスパニックアート、次にスペイン征服後、最後に現代メキシコ芸術の死について、ノルマさんの考えや経験を織り交ぜて対話を進めます。最後は「死者の日」について、ノルマさんは「大好きなお祝いで、先祖との繋がりを感じさせるものです。(中略)ヒスパニック以前のルーツと家族のルーツと繋がっている…」と述べています。続けて大西さんと城下さんにメキシコ展の参加した感想を伺いました。メキシコは幾度の外的の進行を受けてきた歴史があり、その度に芸術の力が様々な方法で発信したようです。また現代の芸術家もその歴史を引継ぎ、また現代と向き合う事が見えてきた印象です。メキシコが遠い国と思うことに対して、パルミラさんの文章と通じてメキシコが近くに感じる、時間を共有しました。

(星 晃)