現代美術展 2008 CAF.ネビュラ展

展覧会ご案内

ネビュラという渦

2008CAF ネビュラ展

主 催: CAF.N 協会
2008 CAF.ネビュラ展実行委員会
会 場: 埼玉県立近代美術館一般展示室(全室)
会 期: 2008年11月13日(木)〜11月23日(日)
開館時間:10:00〜17:30
最終日:15:30まで
休館日:11月17日(月)
懇親会: 2008年11月16日(日)
埼玉県立近代美術館レストラン『ペペロネ』
企 画: ワークショップ:パソコンを使用したオリジナルカレンダー作り(11月16日)
野外インスタレーション(11月16日)
創作ダンス(11月16日)
アーティストトーク(11月23日)
ソプラノ独唱:山中瑠璃子さん(11月16日)
アート竜巻フェスタ(11/1、11/2、11/3、11/16、11/23)


パリ展

2008年11月20日〜11月30日
2008サロン・デ・コンパレゾン(グランパレ、パリ)

2008CAF.N ラトビア展

2008年5月24日〜6月17日
リーガ国立海外美術館
44名参加


(7+1)CONTEMPORARY ARTISTS OF JAPAN

2008年4月11日〜7月10日
North Arizona University Gallery
7名参加


2008CAF.N 横浜展

2008年2月5日(火)〜2月10日(日)
横浜市民ギャラリー


 現代美術というアートの中には、Spaceの中に生きづく空間を求める種と、Siteに生息しようとする種があるようです。すなわち、美術館や画廊のように完全に個性を消去した展示専用空間(Space)に作品を展開し、自らのコンセプトを発信しようとする場合と、深く歴史や文化に根ざした個性豊かな場(Site)に、その場の特異性を読解し、自己の思想にもとづき作品のコンセプトを立ち上げ、作品を展示する場合とがあります。
 日本の高度成長期、その繁栄の証として、各地にパブリックアートと称してアートが公共空間に導入されましたが、このときは「有名である」とか「何かあればよい」とか「見栄えがする」といったアートの本質と無関係な理由でアートが街に進出し、今となっては顧みられなくなったものも多くあります。
 バブル崩壊から十数年が経過し、ここに来てアートに対する社会の期待に変化の兆しがありました。今年8月、国交省の観光ルネッサンス事業の一環として、街かどインスタレーション型のアートイベントが江戸の文化を色濃く残す川越の街で行われました。これは観光という切り口によるアートイベントでしたが、街角にアートを展開することは、かつてのパブリックアートという概念と異なり、場のもつ個性を充分に読み取って作品を構想し制作することが求められ、結果としてアートの力により日常に埋没しているその街の文化的価値が再認識されることになりました。しかし、何よりの成果は、アートが個人を介在してその街とコミュニケートできたことかもしれません。
 日本は明治以降の近代化と戦後の個の確立をめざす政策の中で、今では地域の個性は失なわれ、風前の灯火です。個人は地域や家の呪縛からのがれられたものの、核家族化し、さらに孤立してコミュニケーション不全の人が多く見られるようになってしまいました。このような孤立した個人がアートに接するとき、「今さらきけない」とつぶやきながら「アートはわからない」という態度を示します。地域の疲弊、個人の孤立、アートの説明不足というトリレンマを打開するひとつの糸口として、まずアーティストが作品の成立するSpaceやSiteとの関係を含め、あらゆる手段を講じ、自己の思想・哲学をもとにアートワークについて誠実に話しはじめることが必要なのです。
 収縮していく日本社会において、個性豊かな社会という幻想を終末論で片付けるのではなく、一粒でも多くの「感動」という果実がみのるようCA Fネビュラの活動の渦を広げて行かねばなりません。
 最後に、CAFネビュラ展をご協力、ご協賛、ご支援いただきましたすべての方々に深く感謝申し上げます。

事務局長 小野寺優元


ネビュラの可能性

"NEBULA"

2008CAFネビュラ展実行委員会

CAF.NのNはNebula(ネビュラ)の頭文字で星雲の意味、アートの交流が渦巻状に展開されることと、充満したアートのエネルギーが新しい時代に生きる人たちに届くことを願って名付けられました。
CAFは1978年以来、埼玉美術の祭典、第一次CAF、第二次CAF展と呼称を変更しながら、現代美術のコンセプトと表現の問題を社会に問う運動を展開してきましたが、現在これに加え、地域とアートの交流、さらに国際交流の方向性を中軸に位置づけ、活動の密度を高めていこうとしています。
それは、一極集中の進歩発展的思考に見直しがかかり、個人や地域の独自性が求められている現在、アーティストの自由で純粋な思考が、硬直化した地域の現状を打破する糸口を生み出せるかも知れないし、また、海外の異なる文化状況の中で創作された作品に接することによって、新しい時代のパラダイムを探すためのヒントを見付けることができるのでは、と考えるからです。


展覧会開催の歴史

1978-83 埼玉美術の祭典(6回)
1984-87 現代美術の祭典(4回)
1988 現代美術120人展(Pre-CAF)
1989-91 Contemporary Art Festival(CAF)(3回)
1993-2003 Contemporary Art Festival(CAF)(10回)

CAF.Nネビュラ協会のプロジェクト

2004.11 CAF.N協会創立展(埼玉県立近代美術館)171作家参加
2004.7 アイスランド、日本現代美術展(アイスランド、ハフナルボルグ美術館)40作家参加
2005.4 CAF.N京都展(京都、ギャラリーそわか)20作家参加
2005.11 2005CAF.ネビュラ展(埼玉県立近代美術館)123作家、12海外招待作家参加
2006.2 2006CAF.N横浜展(横浜市民ギャラリー)
2006.4 2006CAF.N ミシガン展(ミシガン大学ギャラリー/アメリカ)13作家参加
2006.11 コンパレゾン2006CAF.Nコーナー(グランパレ、パリ)15作家参加
2007.2 CAF.N銀座展(東京・銀座、ギャラリー風)10作家参加
2007.5 CAF.N松江展(島根県立美術館)39作家参加
2007.6 CAF.N仙台展(せんだいメディアテーク)43作家参加
2007.11 ル サロン ドゥ コンパレゾン ヌーボー 2007(グランパレ、パリ)14作家参加
2008.2 CAF.N横浜展(横浜市民ギャラリー)50作家参加予定
2008.4 (7+1)CONTEMPORARY ARTISTS OF JAPAN(ノースアリゾナ大学ギャラリー、USA)8作家参加予定
2008.5 2008 CAF.Nラトヴィア展(リーガ国立海外美術館、ラトヴィア)46作家参加予定

The Committee of CAF.N Association

Our artists group, the"Contemporary Artists Club", has changed its name. It is now called the CAF.N Association. CAF is short for "Contemporary Art Festival", and the letter N stands for "Nebula", which reflects our wish for our art to develop and spread our widely, just like the spiral of a nebula in the sky. We ardently hope that our energy for our art will reach out to many people in this new age.
Thirty years have now passed since we first started to hold exhibitions. Examples include:

  • 1978-83 Saitama Art Festival (6 times)
  • 1984-87 Gendai Bijutsu Festival (4 times)
  • 1988 Exhibition of Contemporary Art by 120 Artists (Pre-CAF)
  • 1989-91 Contemporary Art Festival (CAF, in its initial stage)(3 times)
  • 1993-2003 CAF (in its 2nd stage) (10 times)

By means of projects such as these, CAF exhibitions were originally intended to raise social awareness of the expressions and concepts of contemporary art. The planning and managing of all the CAF exhibitions is done by the artists themselves.


PROJECTS OF "CAF. N Association"

2004.11 CAF.N Association Exhibition (The Modern Art Museum. Saitama)
2004.7 Contemporary Art From Japan in Iceland (Hafnarborg Museum)
2005.4 CAF.N in Kyoto (Gallery Sowaka)
2005.11 2005 CAF.Nebula Exhibition (The Modern Art Museum. Saitama)
2006.2 CAF.N in Yokohama (The Yokohama Civic Art Gallery)
2006.4 2006 CAF.N in Michigan (Michigan Univ. Gallery)
2006.11 COMPARAISONS 2006 in Paris (Grand Palais)
2007.2 CAF.N in Ginza (Gallery Kaze)
2007.5 CAF.N in Matsue (Shimane Art Museum)
2007.6 CAF.N in Sendai (Sendai Media Take)
2007.11 L'Salon de Comparaisons Nouveau (Grand Palais, Paris)
2007.11 CAF.Nebula Exhibition (The Modern Art Museum. Saitama)
2008.2 CAF.N in Yokohama (The Yokohama Civic Art Gallery)
2008.4 Japanese Fine Art Exhibition (North Arizona Univ. Gallery)
2008.5 CAF.N in Latvia (Riga Museum of Foreign Art)

We hope that our "Nebula" of art will glitter and sparkle with shining examples of modern artistic culture.